一般労働者派遣事業の許可
★ 当社での手続き代行費用 一般労働者派遣事業とは労働者派遣事業法に定める労働者派遣事業のうち、特定労働者派遣事業以外のものを いいます。 一般労働者派遣事業者は「派遣元」と呼ばれ、顧客である「派遣先」、商品である「派遣スタッフ・派遣社員」 とは,以下のような関係にあります。 1.「派遣元」⇔「派遣社員」 : 雇用契約 2.「派遣先」⇒「派遣社員」 : 業務上の指揮命令 3.「派遣元」⇔「 派遣先 」 : 労働者派遣契約
登録型の派遣社員は、通常は派遣会社に登録されているだけで、派遣先の企業が決まったとき、その契約期間 だけ派遣会社に雇用されます。登録していても、派遣労働者としての仕事がない間は、派遣元から給料の支払いは ありません。一般労働者派遣事業では派遣労働者の雇用の保障がないので、特定労働者派遣事業よりも厳しい 法規制と事業者の厳しい要件が必要とされます。そのため、この事業を行うためには、厚生労働大臣の許可を 得なければなりません。もちろん社会保険の加入も義務となります。
「派遣社員」は「派遣先」の会社とは雇用関係がありません。雇用関係がなければ労働法は適用されないので、 派遣社員を保護するために「労働者派遣法」という法律が制定されています。
※ ただし、以下にある業務には人材を派遣してはいけないことになっています
1.港湾運送業務 2.建設業務 3.警備業務 4.病院などにおける医療業務(紹介予定派遣の場合を除く) 5.そのほか下記の業務についても派遣を行うことが出来ません。 a 人事労務関係で労使協議の際に、使用者側の直接当事者として行う業務 b 弁護士、外国法事務弁護士、司法書士、土地家屋調査士の業務 c 公認会計士、税理士、弁理士、社会保険労務士、行政書士の業務 d 建築士事務所の管理建築士の業務
許可要件について
A.財産的要件 1.資産(繰延資産及び営業権を除く。)の総額から負債の総額を控除した額が1,000万円に一般労働者 派遣事業を行う事業所の数を乗じて得た金額以上であること。 ※ 有料職業紹介事業と兼業の場合でも、1000万円で足ります。 2.基準資産額が負債額の7分の1以上であること。 3.自己名義の現金・預貯金の額が800万円に一般労働者派遣事業を行う事業所の数を乗じた額以上であること。 ※一般労働者派遣事業における消費税免除について 会社を設立して、一般労働者派遣事業の許可を取得する場合、手続の方法よっては、売上に対する 消費税を2期分免除させることができます。ただし、都道府県によっては認めていない(東京都、 神奈川県など)場合もありますので、管轄の労働局等によく確認しながら手続を進める必要が あります。また、商業登記簿謄本上、資本金額を1,000万円未満で記載させる必要があります ので、大手と派遣契約する場合などはマイナス要素とみなされる場合もあります。 具体的な手続に関しては、会社を設立する段階から、定款の認証後、資本金を銀行の別段預金に 預け入れる必要があり、銀行で保管証明書又は受領証明書を発行してもらいますが、発行手数料が 約3万円〜10万円前後(銀行の系列によって異なります)かかります。いわば、会社法施行前 (平成18年5月以前)の会社の設立の方法によく似ています。しかし、この手続自体、現在は取り 扱っていない銀行もありますので、ご注意ください。また、経理処理上の資本金と資本準備金の 振り分けも必要ですので、多少、専門的知識も必要になります。詳しくは、当事務所担当者まで、 ご相談ください。
B.個人情報を適正に管理し、及び求人者、求職者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること。
C.登録者数300人当たり1人以上の登録者に係る業務に従事する職員の配置 ⇒派遣元責任者(派遣労働者100人あたり1人以上)ではありません
D.代表者及び役員(法人の場合)が一定の欠格事由等に該当しないこと。
E.派遣元責任者の要件 派遣元責任者として雇用管理を適正に行い得る者が所定の要件及び手続に従って適切に選任、配置され、 また、派遣元責任者が不在の場合の臨時の職務代行者があらかじめ選任されていること。 また、派遣元責任者の要件を満たすためには、次のいずれにも該当することが必要です。 1.労働者派遣法第36条の規定により、未成年者でなく、労働者派遣法第6条第1号から第4号までに 掲げる欠格事由のいずれにも該当しないこと。 2.労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行規則第29条で 定める要件、手続に従って派遣元責任者の選任がなされていること。 3.住所及び居所が一定しない等生活根拠が不安定なものでないこと。 4.適正な雇用管理を行う上で支障がない健康状態であること。
5.不当に他人の精神、身体及び自由を拘束するおそれのない者であること。
6.公衆衛生又は公衆道徳上有害な業務に就かせる行為を行うおそれのない者であること。
7.派遣元責任者となり得る者の名義を借用して、許可を得ようとするものでないこと。
8.次のいずれかに該当する者であること。 T 成年に達した後、3年以上の雇用管理の経験を有する者 この場合において、「雇用管理の経験」とは、 人事又は労務の担当者(事業主(法人の場合はその役員)、支店長、工場長その他事業所の長等労働 基準法第41条第2号の「監督若しくは管理の地位にある者」を含む。)であったと評価できること、 又は労働者派遣事業における派遣労働者若しくは登録者等の労務の担当者(労働者派遣法施行前の いわゆる業務処理請負業における派遣的労働者の労務の担当者を含む。)であったことをいう。 U 成年に達した後の雇用管理の経験と派遣労働者としての業務の経験とを合わせた期間が3年以上の者 (ただし、雇用管理の経験が1年以上ある者に限る。) V 成年に達した後の雇用管理経験と職業経験とを合わせた期間が5年以上の者 (ただし雇用管理の経験が1年以上ある者に限る。) W 成年に達した後、職業安定行政又は労働基準行政に3年以上の経験を有する者 X 成年に達した後、民営職業紹介事業の従事者として3年以上の経験を有する者 Y 成年に達した後、労働者供給事業の従事者として3年以上の経験を有する者 9.職業安定局長が委託する者が行う「派遣元責任者講習」を受講(許可の申請の受理の日前5年以内の受講 に限る。)した者であること。 ※ 社団法人日本人材派遣協会が講習会を開催しています。 10.外国人にあっては、原則として、出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号) (以下「入管法」という。)別表第一の一及び二の表並びに別表第二の表のいずれかの在留資格を有する 者であること。 11.派遣元責任者が苦情処理等の場合に、日帰りで往復できる地域に労働者派遣を行うものであること。
F.事業所に関する要件 1.事業所の面積が、おおむね20u以上であること。 2.「有料職業紹介業」と兼業する場合、事業運営上明確な区分が必要です。 3.海外派遣を予定する場合は、その要件を満たすこと
許可申請について
管轄労働局を経由して厚生労働大臣へ申請しますので、許可が受理されてから事業が開始できるまで 1ヶ月〜2ヶ月程度かかります。ですから事業開始予定時期の最低3ヶ月前には準備しておく必要があります。 [申請添付書類 例] 1.定款 2.会社登記簿謄本(履歴事項全部証明書) 3.役員全員の履歴書及び住民票の写し 4.貸借対照表及び損益計算書 5.預金残高証明書 6.法人税の納税確定申告書(別表1及び4)の写し 7.法人税の納税証明書(その2所得金額)・・・新設法人の場合は「法人設立届の控え」 8.事業所の使用権を証する書類(事業者名義の賃貸借契約書等) 9.派遣元責任者の住民票の写し 10.派遣元責任者の履歴書及び「派遣元責任者講習」受講証明書 11.「個人情報適正管理規程」
更新手続きについて
1.一般労働者派遣事業の新規で取得した許可の有効期間は3年であり、更新後の許可の有効期間は5年と なり、以降5年後とに更新します。許可の更新手続、要件等は、新規許可の際とほぼ同様になります。 (つまり、要件に該当しなくなれば、更新できません)
注意! 許可の有効期間が満了する日の30日前までに十分な余裕をもって厚生労働大臣に対して 許可有効期間更新申請を行う必要があります 2.手数料 許可更新申請書には手数料として[5万5千円×一般労働者派遣事業所数]の収入印紙を貼付する 必要があります。